about box96

世の中に人の来るこそうれしけれ とは云ふもののおまえではなし 内田百閒 このブログは「クロ箱」というWebサイトの更新状況、備忘録、身辺雑記、その他です。 頻繁に更新するWebサイトではないので、原始的なHTMLの「ホームページ」で十分なんですが、更新…

苺でマウントをとる

その人は苺が果物ではないという。そんなことも知らないのかという強い調子で、農水省の分類では樹木の実が「果実」で草本が「野菜」と区分されているのだから、草本である苺は野菜なのだという。いえ、それはあくまで役所の「便宜的な区分」であって、日本…

かもしれません

「明日は雪が降るかもしれません」「国会の解散もあるかもしれません」「景気が良くなるかもしれません」「部下の心をつかめるかもしれません」……そうかもしれないしそうでないのかもしれない。そりゃあどっちかは必ず当たるだろうけどさ、インチキ占いじゃ…

ポリティカル・コンパス 右翼と左翼

「右翼」「左翼」という言葉は、大まかに政治的立場に表すのに便利なので、しばしば用いられている。「まるで右翼の言いぶんだ」「それでは左翼思想ではないか」などなど。とくに近頃では、相手に右翼・左翼のレッテルを貼ることで排除しようとする発言を多…

iPhone 15 Pro 159800円

モデルチェンジする度に値段がどんどん上がっていくiPhone。とうとう16万円だそうだ。高校生たちにiPhoneを使っているか聞いてみたところ、クラスの半数がiPhoneユーザーだった。日本は世界で最もiPhoneのシェア率が高いとよく言われているが、どうやら本当…

ウィニー裁判

この一週間、ずっとウィニー(Winny)のことを考えている。きっかけは、映画「Winny」も公開されたし、ひさしぶりにウィニーの裁判を授業で取りあげてみようと思ったことだった。授業の資料用の文章を書き直しはじめたが、調べては書き、書き直しては調べ、…

男のくせにだらしないわね!

しばらく前、テレビシリーズの「エヴァンゲリオン」を再放送していた。最初の数話は、主人公の男の子が男のくせにと周囲からなじられつづける。 「男のくせにいつまでもぐじぐじ言ってんじゃないわよ!」 「男の子でしょ!しっかりしなさい!」 「男のくせに…

シンプルマン

四年ぶりに母親と会った。すっかり老け込んでいて、年齢通りの80すぎの老人になっていた。こどもはしばらく会わないとどんどん変わっていくものだが、年寄りも同じなのだなと思った。母は十数年前から、なぜかいきなりネトウヨ婆さんになり、会うたびに中国…

本日の気温は80℃

年々、夏の期間が長くなっているので、この時期になるとこのまま永遠に夏が終わらないんじゃないかという気がしてくる。最近、自分は夏休みは大好きだけど夏がとくに好きなわけじゃないということに気がついた。人生の真理をひとつ見つけた気分である。悟り…

流しっぱなしのラジオ

NHKラジオの音楽番組は変だ。私は家にいるとき、たいていラジオを流しっぱなしにしているのだが、NHKを流しているともやもやした気分にさせられることが多い。月曜から金曜まで夜9時過ぎにFMで帯番組として放送している「ミュージックライン」では、南波志…

1986年夏

古い白黒フィルムを近くの駅ビルに入っている写真屋でデジタルスキャンしてもらった。解像度は3089×2048でだいたい4K画像くらい。おどろくほど鮮明に写っている。35mmの白黒フィルムってこんなに情報量が多かったのね。写真の中で若い母が猫を抱えて笑ってい…

うめちゃん

大学時代、知り合いに立川の高校を卒業した連中が何人かいて、彼らは互いに高校の頃からのへんなあだ名で呼び合っていた。 「ねえ、なんで石井さんは"うめちゃん"って呼ばれているの?」「青梅から来てるからだよ」「ちょっと、それ、ひどくないか」「どうし…

カスパロフ対ディープブルー

授業で1997年に行われたカスパロフ対ディープブルーのチェス六番勝負を見る。番組は同年にNHKが制作した「世紀の頭脳対決~人間VSコンピュータ・チェス戦徹底分析~」というテレビドキュメンタリー。最近はなにかとAIが幅をきかせているが、その先駆けになっ…

うるせえ、行きたいから行くんだよ、バーカ!

テレビのHDDレコーダーの容量確保のため、録りだめておいた「プラネテス」の再放送をまとめて見る。全26話。物語の舞台になるのは、宇宙での暮らしがいまよりも身近になった未来の世界。観光や仕事で地球軌道の宇宙ステーションや月のステーションに人々がお…

女性を対象にしたクオータ制の導入

以前つくったクオータ制をめぐる資料をもとに会話文を書き足して、女性の採用を対象にしたクオータ制の導入について、高校生向けの課題を作成した。課題は次の通り。 女性を対象にしたクオータ制の導入 社会的に弱い立場におかれてきた人たちへの支援を「ア…

業者敬語

ラジオで若い女性タレントが言う。「この間、NHKさんに出演させていただきまして、そのときウッチャンナンチャンさんにお会いさせていただだきまして……」。なんだろう、このムズムズするへんな感じ。さらに自分が乗ってるクルマを「わたし、トヨタさんのプリ…

クオータ制

クオータ制について、要点をまとめた問題を作成した。うまく書けた気がするので、こちらにも転載しておく。 問 社会的に弱い立場におかれてきた人たちへの支援を「アファーマティブ・アクション(ポジティブ・アクション)」といいます。このアファーマティ…

マンモスのクローン再生

新型コロナの緊急事態宣言で学校は自宅学習とのことで、課題を作成する。お題はマンモスのクローン再生の是非について。この分野の研究者というと、社会的視野の狭いオタクが集まっている印象が強いので、研究者たちはみな手放しでやりたがってるのかと思っ…

新卒一括採用 メモ

先日書いた新卒一括採用の是非について資料を集めている。 こんな記事を見つけた。 なんだかんだ言っても新卒一括採用が最も合理的海老原嗣生 日経ビジネス 2021.4.6https://business.nikkei.com/atcl/gen/19/00271/032600009/?n_cid=nbpnb_mled_mpu 日本企…

「つきあってください」は不自然?

論述問題の課題として、「つきあってください」は変じゃないのかというのを作成した。どうも最近は中学生や高校生だけでなく、いい歳したおとなまで言うらしいのである。どうなってんの。先日ラジオを聞いていたら、スウェーデンから来日したというゲストに3…

新卒一括採用

授業の課題として、新卒一括採用の是非を作成した。個人的には、新卒一括採用は日本社会の諸悪の根源だと思っているのだが、生徒の反応は、新卒採用がなくなってしまうのは不安という声が多く、存続派が6割、廃止派が4割という割合だった。 新卒一括採用は必…

奴隷商人像の撤去

Black Lives Matter運動をめぐる奴隷制度に関わった人物の銅像撤去について、論述問題を作成した。撤去の是非は、像を歴史的遺産ととらえるか、それとも政治的シンボルととらえるかが別れ目。AとBの参考意見を読み返してみたところ、どうにもAが弱い。参…

選挙の戸別訪問

選挙における戸別訪問の是非について課題を出した。出題は次の通り。 論述問題 選挙の戸別訪問 選挙活動の際に候補者やその支援者が自分の考えを知ってもらうために家々を訪問してまわることを「選挙の戸別訪問」といいます。日本では公職選挙法138条で禁止…

論述問題 原子力エネルギーのPRポスター

8年前にちらのブログに書いた原子力発電のポスターを資料にして、授業用の論述問題を作成しました。 元記事はこちら。 https://box96.hatenablog.com/entry/20110406/1301977771 今回作成した課題は次の通り。 日本では、2011年の福島第一原発事故まで、国を…

不思議の国の自転車

自転車ブームがつづいているそうでうちの近所でもここ数年で自転車の大型チェーン店が目につくようになった。私もオートバイを手放して以来、家から20km圏内はもっぱら自転車で移動しており、すっかり身軽な暮らしの相棒になっている。構造がシンプルなので…

ドーピングの禁止

ときどきスポーツ選手のドーピング問題について考える。どうすればドーピングをなくせるかではない。なぜドーピングはいけないかである。いくら考えてもさっぱりわからない。なぜダメかがわからないので、「ドーピング撲滅」と言われてもまったく共感できな…

所得の再分配 − 所得税の累進制は公平なのか −

税率をはじめデーターが古くなっていたので、修正・加筆しました。http://www.ne.jp/asahi/box/kuro/report/saibunpai.htm 文中Aの累進課税をやめてすべて一律課税にしろという言いぶんは何度書き直してもうまく書けない。どう書き直しても「なんで俺の払っ…

石斧を握りしめて空を見上げる

左肩の激痛で朝早くに目が覚めた。左肩が外れかかっているようだった。起き上がろうとしたら左腰と左股関節にも痛みが走る。腰もひねっているようだった。なにがあったのかわからないが満身創痍である。私は眠っている間にいったいなにと戦っていたのだろう。…

くじ引きとしての生

この冬、大学入試の小論文対策用の副読本を書くアルバイトをした。私が担当したのは、ジョン・ロールズの「正義論」についての項目で、一昨年にNHKでやっていたハーバードの授業の影響なのか、入試の小論文課題にまでロールズの「公正としての正義」が出題さ…

軍事オタクによる軍事オタクのための嬉遊曲

半年ほど前、夜中にテレビをつけるとセーラー服姿の女の子たちがドイツの四号戦車に乗って戦車戦をしているアニメをやっていた。 「次の一発で決めます、丘の上から狙えますか?」 「稜線射撃は敵の標的になるから、ファイアフライが次を撃ってくるまでの間…