四番ライト、サ〜ブゥ〜ロォォォ〜〜〜〜


日本シリーズを見た。千葉マリンスタジアムでは、女性の場内アナウンスで、「四番ライト、サ〜ブゥ〜ロォォォ〜〜〜〜」ってお祭りの「あたぁ〜りぃ〜」みたいな調子で選手がコールされる。猛烈に独特である。テレビを見ながらイスから転げ落ちそうになった。以来、「四番ライト、サ〜ブ〜ロォォォ〜〜」と「五番サード、イ〜マ〜エェェ〜〜」のフレーズがアタマから離れない。彼女の場内アナウンスはマリンスタジアムの名物らしいが、まあそうだろう。あれは「名物」ということにでもしなければ、なかなか受け入れられるものではない。でも、ちょっと生で聞いてみたい気もする。



ロッテは川崎球場時代の殺伐とした雰囲気が好きだった。スタンドからのヤジに選手が本気で怒って怒鳴り合っていたり、サインちょうだいという子供をチンピラまるだしの選手が「じゃまだよオイ」と怒鳴り飛ばして泣かせちゃったり、アメリカから呼んだ助っ人選手が「便所が臭い」と文句を言って帰国してしまったり、さらに秋風が吹いてペナントレースから完全に脱落する頃になると、がらがらのスタンドではきたない格好をしたおっちゃんたちがこたつまで持ち込んで試合そっちのけで酒盛りに興じたり一升瓶抱えてモツ鍋をつついていたり麻雀で盛りあがったりともうなんでもありのアナーキーな空間だった。その光景を見るたびに俺もはやくオトナになってアナーキーな世界の住人になりたいものだと思った。あの雑然とした川崎時代の風景を思うと、みんなで仲良く声をそろえて応援しているファンたちも、なにかと「応援よろしくお願いします」とスタンドに手を振る選手たちも隔世の感がある。プロ野球ってもっと不健全な娯楽じゃなかったの。いつからボーイスカウト大会になったんだろう。