地震


昨日の地震では東京でも大きく揺れた。

家にいた私は、なかなか大きな揺れが収まらないので、ガスファンヒーターを止めるとサンダルを突っかけて通りへ飛び出した。外では電柱がゆさゆさとしなり、住宅はみしみしときしみ、駐車場の自動車は上下左右に揺さぶられたせいで盗難防止装置が作動し、かん高い電子音を発していた。うちのボロアパートはとくに大きくきしんでいて、窓枠の二つ三つ落ちそうな気配だったが、どうにか倒壊はまぬがれた。

親や友人に電話をして「いやあすごかったねえ」と言いあいながら無事を確認する。電話ではみなからお前のところはつぶれなかったのかと聞かれる。「まあどうにかね、そっちはどう?」と尋ねると、お前のところがつぶれてないんだから大丈夫に決まってるだろと再びみな口をそろえて同じ反応。あーそーですか、そりゃようござんした。ラジオをつけると震源地は東北の太平洋岸、鉄道は首都圏も含めて全面的に止まっているとくり返している。事態は深刻な様子。一夜明け、全体の状況がわかるにつれて大惨事になっていることが明らかになる。地震マグニチュード8.8の巨大なもので関東大震災の20倍のエネルギー、東北の太平洋沿岸は津波で壊滅状態、死者多数、東北地方では電気も全面的に止まっているという。

昼になり、福島第一原発では炉心と冷却系にトラブルがおきているというニュースが流れる。地震の二次災害で原発のトラブルが発生するのはなによりも怖い。近年、海外のマスメディアでは、日本の地震を報道する際には必ず原発の状況をつけ加えるのが慣習になっている。チェルノブイリ事故以来、原発事故は地球規模の大惨事をもたらすことがあきらかになって、地震多発地帯に集中している日本の原発については、各国とも神経をとがらせているようだ。炉心が熱暴走して爆発するようなことにならないといいんだけど。