震災をめぐるネットのデマ


震災をめぐるネットのデマについて、荻上チキがソースを確認しながら、ひとつひとつ検証している。なかには荻上さん自ら電話取材をして事実確認しているものもあって、その熱意に感心する。

http://d.hatena.ne.jp/seijotcp/22220316/p1


たいていのネットのデマは軽く受け流す程度のものにすぎないが、なかには真偽の判断の難しいものもある。とくに現在のような社会が混乱している状況では、マスメディアの情報にほとんど接していない人は真に受けてしまうものもあるだろう。ネットの噂は「在日外国人が略奪を始めた」「水道水に毒が混入された」「天皇は京都に非難した」といった古典的なものから、「体内被曝に備えてイソジンを飲んでおけ」という半可通の民間療法、「自衛隊は法律上、救援物資を空中投下できない」という怪情報、あるいは義援金の振り込みを呼びかける怪しげなチェーンメールまで多岐にわたる。荻上チキはそうしたネットの噂をひとつひとつ事実確認しながら、どう判断したらいいか、判断に困ったときどう対応したら良いかを指摘している。ネットの噂やデマがどのように形成されていくのかを見るサンプルケースとしても興味深い。

現在の状況では、怪しげな噂に振り回される人たちを笑っていても意味がないので、事実確認を呼びかけていくことは重要だ。ただその一方で、怪しげな噂をさかんにリツィートしている人たちは、たぶん彼のブログを読んだりはしないだろう。そういう意味で彼の熱心な呼びかけがどれだけ効果があるのかは疑問を感じる。


*ネットのデマだけでなく、マスメディアがデマまがいの報道をしているケースもあるようで、こちらも気がかりです。サンケイが民主党政権を嫌うのはかまわないけど、デマで世論を扇動するようなら怪しげな噂をネットにまき散らしている連中とかわらないよ。
http://www.zakzak.co.jp/society/politics/news/20110318/plt1103181529003-n1.htm
http://d.hatena.ne.jp/TomoMachi/20110320