CSチャンネルで放送のはじまったシャーロック・ホームズのドラマを見る。以前、NHKで吹き替え版を放送していたが、こちらはオリジナルの字幕版。放映時間は、吹き替え版が45分なのに対して、55分くらいある。NHKで放送していたのを見たときにやけに展開が唐突でストーリーがわかりにくかったが、10分近くもカットされていれば当然と納得する。長尺の字幕版ではホームズの変人ぶりと嫌な奴ぶりがじっくり見られる。こんなもったいぶって気どった言いまわしをしていたのね、知性や教養に欠ける相手だと露骨にバカにした態度をとるのね、などなど。第1話はアイリーン・アドラーの登場する「ボヘミアの醜聞」。いきなりホームズがコカインでうっとりしている場面からはじまる。「コカイン7%溶液は最高だね、ワトソン」。あきれるワトソンにホームズは「僕の精神は常に刺激を求めているんだ、刺激的な事件のない時の僕は死んでるのも同じだよ」とつづけ、開き直る。もちろんNHK版ではカットされていた場面だが、きわめて原作には忠実である。ホームズを演じるジェレミー・ブレットは「彼はこども時代に親の愛情を得られなかったんじゃないかねえ」とインタビューで話していたが、そんなホームズのダメ人間ぶりが堪能できる字幕版である。
→ ミステリチャンネル「シャーロック・ホームズの冒険〔完全版〕」