Baseball is fun

地球の反対側でやっていた野球のワールドシリーズは異様に盛り上がって幕を閉じた。第6戦の試合後、スタンドの観客たちが夢でも見ているような表情でいつまでも立ちつくしていたのが印象的だった。中西部の田舎対決だったため、アメリカのスポーツメディアと…

ガングロ・ギャル

中間試験の採点をする。めんどくさいなあと思いつつ渋々やっているのでちっともはかどらない。こういうときに限って、地球の裏側でやっている野球の試合がやけに気になったり、ラスベガスの弁護士ドラマを見逃してはいけないような気がしたり、ペンギンがぐ…

リンゴのイデア

先日、授業でプラトンのイデア論について解説した。プラトンは、理性によってとらえられる永遠・普遍・絶対の概念こそがこの世界の本質であり、感覚によってとらえられる不完全で流動的な世界はその概念世界の影にすぎないという立場をとる。 私はこのイデア…

オーパ!

テレビで、開高健の魚釣り回想録のような番組をやっていた。開高健は、晩年、「オーパ!」という魚釣り紀行のエッセイシリーズを続けていたが、番組では、当時の記録映像にかぶせて、それに参加した人たちが当時のエピソードや開高の人間性について語るとい…

諸行無常

授業で原始仏教について解説する。日本の仏教は中国経由で輸入されたので、仏教用語にはやたらと四文字熟語が登場する。「諸行無常」や「諸法無我」のようなおなじみの用語から、「怨憎会苦(おんぞうえく)」「求不得苦(ぐふとくく)」「涅槃寂静(ねはん…

4回目の車検

無駄にでかくて乗ってると少々後ろめたい気分になるうちのバイクも7年目に突入し、4回目の車検がやってくる。1985年製なのでもうすぐ30歳である。車検は5日前にネットで予約をして、自分で立川の検査場へ持ち込んで検査を受ける。自分が乗るものはなるべく自…

気になる言葉

「AKB48」 アキバ系のおにいさんたち限定のアイドルグループからいつの間にか全国区になった。私のような芸能情報に疎いものには、飛躍のきっかけがなんだったのかさっぱりわからないが、いまや小学生の女の子たちにもあこがれの存在らしい(*はい出典)。…

ドッグ・ウィスパー

CS放送でやっているドッグトレーナーの番組をまとめて見ている。飼い主からの依頼を受けてドッグトレーナーが家庭訪問し、「我が家の困ったわんちゃん」の再教育をするというビフォー・アフター番組。番組ホストはシーザー・ミランというロサンゼルスを拠点…

中間試験

中間試験の問題を作成する。まだ4回しか授業をやっていないクラスがあるのに、試験もないだろうと思うのだが、担当者の「現代社会も試験やりましょう」「試験やります」「試験やることになってます」という不思議な三段活用によって、いつの間にか試験をやる…

葬式

連休中に祖母が死んだ。94歳だった。18年前に脳内出血で倒れて以来、祖母は「要介護の高齢者」ということになり、車イスに乗るのが精一杯という状態だった。当初は自力で車イスにも乗れたが、年々衰弱していって寝たきりとなり、ここ2年くらいは、私が誰かも…

原発をどうするべきか 高校生たちの声

2年生の授業で原発の問題を取りあげる。まずはじめに、今後、原発をどうしたらいいのか、4つの選択肢をあげて、どれを支持するか生徒に聞いてみたところ、全体の傾向は次のようなものだった。 【積極的賛成】 より安全対策を行ったうえでなら、新たな原発建…

1000年後の世界

3年生の選択授業で、科学技術に対する人々の意識の変化について話をする。 20世紀半ば、科学技術は人間に利益のみをもたらすと考えられていた。そういう中で科学技術がもたらすバラ色の未来像がさかんに描かれようになる。超高層ビルの谷間をぬうように流線…

電力会社の広告の禁止 追記 

先日書いた「電力会社の広告の禁止」について、もし、電力会社からの広告によって、今回の原発報道がゆがめられているのだとしたら、広告費を受け取っていないメディアと比較しながら、具体的に記事や番組内容の問題点を指摘するべきだというコメントをいた…

Big Brother is watching you

78歳の不機嫌な老人が選挙で勝ってしまって、またしばらく私の上司になることが決まった。彼の名前は給与明細にまで書いてあるので、給料をもらうたびに自分がまるであの偏狭な老人の使用人になったような気がして情けないかぎりである。学校は役所の出先機…

電力会社の広告の禁止

福島原発がこういう事態になって、ネットでは電力会社の原発推進広告を批判する発言をあちらこちらで見かけるようになった。さらには、草野仁、星野仙一、勝間和代、岡江久美子、北村晴男、薬丸裕英といった原発推進のテレビCMに出演していた人々やそうした…

メールとブログとツイッターのコミュニケーションの非対称性

当ブログは一日平均でだいたい200回のページビュー、100人弱の訪問者というペースでほそぼそと運営しています。ところが、四月のはじめに突如として十倍の2000PV、1500人の訪問者ということがありました。いったい何がおきたんだろうと調べてみたところ、三…

東北自動車道の無料化

東北自動車道の無料化が期間限定で検討されているという。良いことだと思う。いまはまだ被災地は混乱しているけど、今後、復興が進んで観光客を受け入れられるようになったら、休日に東北へ旅行して温泉宿に泊まるだけでも十分経済的な支援になるはずだ。高…

東京浮草家業

ひさしぶりに母親から電話がかかってくる。 「おまえどう思う、福島の原発、チェルノブイリみたいになるかねえ」 「なるかもね」 「そうかねえ」 「うん、大爆発の可能性は小さそうだけど、放射性物質の流出量はもうチェルノブイリなみになってるんじゃない…

原子力エネルギーポスター展 これからもずうっと、原子力

このご時世に電力会社や外郭団体が制作した原子力PRポスターを見るとなかなかぐっとくるものがあります。ネット上にあるそうしたぐっとくるポスターを集めてみました。なんといっても原子力エネルギー推進のPRは、政府だけで毎年70億円、電力会社や外郭団体…

デーブ・スペクターのつぶやき

東電は風通し悪いので風力発電には向いてないでしょう。 http://twitter.com/dave_spector/status/54909052727201793 デーブ・スペクターがツイッターでゆるい冗談を発信し続けている。おなじみの駄洒落あり、微妙にずれた時事ネタあり、たまに鋭い風刺もあ…

宮台真司はいつから反原発になったのか

神保哲生と宮台真司がやっている「Video News Network」というネットテレビが福島原発事故についてのトーク番組を無料公開している。 Video News Network 2011年03月25日「あえて最悪のシナリオとその対処法を考える」 http://www.videonews.com/on-demand/5…

福島第一原発 この一週間

朝日新聞 福島第一原発関連記事 朝日新聞 図解・福島第一原発事故 事故の短期収束の可能性はすでに失われた。冷却系統各部の損傷は予想以上に激しく、海から海水を取り込む二次冷却ポンプは津波ですべて失われ、タービン建屋は汚水の処理で作業が難航してお…

永六輔その新世界

震災からこの三週間、永六輔のラジオ番組はすごくいい。ときに震災復興やボランティアのあり方について熱く語り、ときに原発報道に皮肉を言い、ときにゲストをからかいながら冗談を言う。永六輔はそれらをすべて自分の言葉として発する。ニュース解説のよう…

原子力損害賠償法

福島原発による被害総額は、現時点でも数兆円にのぼると見られている。復旧のめどもたたず、日々放射性物質を出しつづけているので、今後、被害総額もふくらみつづけるだろう。毎朝のNHKニュースで、1号機・2号機・3号機からもくもくと放射能まじりの水蒸気…

あちら側の世界

テレビとラジオはすっかり通常番組に戻って、出演者のみなさんは「いやあ大変な災害と事故でしたね」と過去形で語っている。そうか、あちら側の世界では、震災地の復旧も原発事故もとっくに済んだことになっているのか。まったくもってうらやましいかぎりで…

募金について

ちなみに混沌としたこちら側の世界では、被災地のために首都圏から送電するなんて立派な社会システムは確立されていないので、いくら節電したって被災地支援にはならない。それこそ自慰行為である。被災地支援は、まず募金、それから健康で技能があって時間…

原子力推進委員会

その渦中にいる者には全体像が見えないというのはよくあることだが、福島原発をめぐる状況は極端である。政府と電力会社はうかつなことは言えないとひたすら慎重な姿勢をとっているため、記者会見の内容はただ事実の報告にとどまり、事故の分析や評価はおも…

田代島

「猫島」で有名な宮城県石巻市田代島。小さな島のことだから、津波にのまれて人も猫も全滅かも知れないと思っていたら、島民73人の多くは避難して無事とのこと。行方不明者は75歳の女性ひとりで、24日の毎日の記事によると、津波の中、小舟に逃れた息子が懸…

原因は調査中です

「本日、三号建屋から黒い煙が上がりましたが、発生した原因と放射性物質については現在調査中です」その後、調査結果は一向に発表されない。記者たちも毎日次々に起きる新しい出来事を追いかけるのに精一杯なのか、誰ひとりとして記者会見で質問しない。記…

ゴマちゃんはオスかメスか

前回はやけにぎすぎすした内容になってしまったので、今回は精神的なバランスをとるためにぼんやりしたことをぼんやりと書いてみます。もちろん、福島原発でいまおきているような事柄についてではなく、ときどきふと思い浮かぶぼんやりとした疑問についてで…